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コーヒー物語

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コーヒーメッカ事件1

1511年、イスラエルのメッカでコーヒーをめぐって大騒動が起こりました。そしてその一連の出来事は、それまで僧たちの秘薬であったコーヒーが、さらにイスラムの一般の人々に広まり、愛されていくきっかけとなりました。「メッカ事件」と呼ばれる、出来事です。

『このコーヒーという飲みものは、心をひきつける驚くべき不思議な力を持っていて、ある時は人を興奮させたりする。コーヒーはきっと人々を堕落させる飲みものに違いない!』
 『おそれながら、カイル・ベイ様。我らが尊敬する大科学者アビセンナ先生も記録に残していますように、コーヒーは胃にも良い、おいしい飲みものです。お考えを改めていただくことはできませんか』
 メッカの総督カイル・ベイが招集した会議の席でのことです。アラブの医師たちは、総督のコーヒー禁止の考えを、懸命に正そうと試みました。しかし結局、だれも総督の考えをくつがえすことはできませんでした。
 そしてとうとう、メッカの街には「コーヒー禁止令」が出されたのです。

 カイル・ベイのこの独断的な命令は、すぐにメッカの支配者であるエジプトの君主、カーンサウフにも伝えられました。 『なんと横暴なことよ。わたしの愛するコーヒーを禁止にするとは!』

 報告を聞いたカーンサウフはそう嘆き、早速メッカに使者を送り、コーヒーの禁止令を撤回させたのです。無理もありません。彼は医師の勧めもあってコーヒーを薬として飲んでおり、しかもそのおいしさに魅了されていたのです。
 そのコーヒーをこともあろうに!
 カイル・ベイとその賛同者は、厳しく罰せられたということです。

つづく・・

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