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コーヒー物語

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コーヒーメッカ事件2

コーヒーのメッカ事件の舞台裏をお話しましょう。

当時コーヒーは、イスラム教の聖堂・モスクにおける神聖な儀式と結びついた、特別な飲み物でした。ところが、そうした信仰とは関係ないところでも、コーヒーは一般の人々の間に少しずつ広まっていったのです。厳格なイスラム教徒であったカイル・ベイは、それを苦々しく感じていたのです。カイル・ベイがコーヒーを禁止しようとしたのは、コーヒーの神聖を保とうとしたからなのかもしれません。

 事件から70年以上たった1587~88年に、アラビアのイスラム教徒アブダル・カディルが書いた「コーヒーの正当性に関する潔白の主張」という文献が出ています。『潔白の主張?』。そうです。16世紀のイスラム社会にはメッカ事件後もコーヒーに対する偏見や迫害が根強くあったので、どうしてもコーヒーの正しい由来やその知識を訴える必要があったのです。カディルの本は、後にフランスのアラビア語学者ガーランドによってまとめられ、翻訳されて「コーヒー由来記」(1699年)として伝えられています。

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