中国産コーヒー栽培の見通し
中国南西部の雲南省に、中国全体の95%の生産量が集中している。
現行の作付面積は約30,000ヘクタール。コーヒーは標高900ー1200mの辺りで栽培されている。
小規模農家の作付面積は5 6ヘクタール程が平均。
雲南省のコーヒー栽培は農学的には、中米に類似している。
最大の問題点は、年間1350―1700mmとコーヒー栽培にとっては降雨量が乏しい。
中国全体でコーヒー栽培の95%の割合を占めている雲南省の現行生産量は60キロ麻袋で670,000袋と見積もられている。
以前政府主導でのコーヒー栽培は、失敗。
現在は、民間セクターがコーヒー産業を牽引している。
ネスレがこの分野では最大の役割を果たしている。農業訓練や農家への支援で、過去5年間で800万ドル以上の投資を行い、今現在も、4000以上の農家に直接支援を行なっている。
スターバックスは、中国政府と共同でコーヒー農園を立ち上げ、2009年から雲南省でコーヒーを買っている中国のコーヒー栽培条件は、非常に良好。土壌保全に対する配慮は欠けているが、一般的な条件である生産面、構造面、また技術面等、全てが整っている。
樹齢1〜4年の若木が85%を占めているため、生産性は抜群。
2015-16年クロップで、合計生産量1,607,593袋に拡大の予想。
雲南省では、今後約100,000ヘクタールまで作付け面積を拡大出来る見通しで、60キロ麻袋で260万袋の生産高の見込み。(グァテマラ約230万袋を凌ぐ)
コーヒーは茶畑の隣で栽培されていて、コーヒーがお茶に取って代わって栽培されている様なことは起こっていない。
生産者は利益を重視しているので、コーヒーと茶の並行栽培を行なっている。
過去3年間コーヒーは、お茶の利益率を上回っている。
生産者は、コーヒーは金儲けできる農作物だと認識している。
中国の生産者は、他の伝統的なコーヒーの生産国と違い、古く誤った昔からの考えに固執することはない。
この事は、中国のコーヒー栽培を発展させていくのに大きなプラスである。
このことから、中国での高品質のコーヒー栽培の量と質には、大いに期待できる。