中国のコーヒー事情 2012年4月
2012年4月2日
中国コーヒー文化浸透 茶の産地でコーヒー栽培拡大
日本でも人気のプーアル茶の産地、中国雲南省普1m市で、コーヒー豆の生産が急拡大している。
気候が栽培に適している上、中国でコーヒーを楽しむ人が増えてきたのが追い風となっており、地元業界団体は年間2 万トン余りの生産量を数年で約3 倍に増やす計画だ。
茶畑とコーヒー畑の緑色に覆われた丘が連なる普1m市思芽地区、大開河村。昨年12 月初め、高さ1m余りのコーヒーの木から、赤く色づいたサクランボ大の実を次々摘み取り、籠に放り込む収穫作業が行われていた。「昔はみんな貧しかった。生活がよくなったのはコーヒーのおかげ」と畑の主、華紅林さん(42)トウモロコシ栽培をコーヒーに切り替え年収は1 万5 千元(約18 万円)。
経済の改革・解放を受けて80 年代後半に本格化した普1mのコーヒー生産も、過去10 年で急成長。一昨年の生産量は約2 万1 千トンで10 年前の4 倍超、中国全体の6 割を占める。
中国、3年連続の干魃でコーヒーが大幅減産
3年連続の干魃で雲南省にコーヒー産地に大きな影響が出ている。同省コーヒー業協会の胡路副秘書長は26日、記者の取材に対し、干魃で雲南のコーヒー栽培は重傷を負い、生産量は3 万トン近く減少すると述べた。
胡副秘書長は「2008、09 年もコーヒーの栽培状況からみて、今年のコーヒーの収穫は9 万トン前後と見込まれていたが、実際の収穫はわずか6 万トン」と語った。2010 年の大干魃で多くのコーヒーの木が枯れ、この年の生産量は10〜20%減少、損失額は5 億〜6 億元(約64 億〜77 億円)に達したという。
米スターバックス、中国中小都市に積極進出へ
米スターバックス社中国・アジア太平洋地域責任者のジョン・カルバー氏のインタビューによると、中国での店舗数は2015年までに70都市1500店となる見通しで、同国中小都市への今後の積極進出を明らかにした。現在は48都市で約500店を運営している。同社は海外事業拡大を推し進めており、コーヒー店市場規模が2015年には前年比55%増の45億元(約592億円)と予想される中国には特に力を注いでいる。