コロンビアコーヒー生産者連合(FNC)のムニョス総裁からのお知らせ
コロンビアコーヒーの生産状況
コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領に同行して来日したコロンビアコーヒー生産者連合(FNC)のムニョス総裁から、コロンビアのバレンシア営業担当役員、パルド新FNC 東京事務所代表と、コーヒー生産状況につき次のようなお話がありましたのでお知らせします。
1. 今年のコロンビアの雨季の雨は80年ぶりの酷いもので、コーヒー生産地帯でも各地で洪水に見舞われ大変な被害にあった。ただ、昨年8月に就任したサントス新大統領は新政権の5大重要政策の一つとして農産物(コーヒー)生産の強化を挙げ、就任直後、『コーヒー生産者の幸福の為の協定』を結び、新政権を挙げてコーヒー農家をサポートすることを約束し、FNC もこの政策に沿ってコーヒーを増産する為に最大限の努力を払っている。
2. コロンビアのコーヒー生産面積はざっと90万ヘクタールだが、それらは3つのグループに分けられる。まず、最初の36万ヘクタールは、2〜7歳のさび病に強い品種が植えられ、先進的な農業技術が施され最も生産性が高い農園のグループである。次の30万ヘクタールの農園は木も若く、生産性が比較的に高い農園だが、問題はさび病に弱い品種が植えられており、長雨などで湿度が上がるとさび病に侵され生産性が落ちることである。これらの農園には27百万ドルを使って殺菌剤を散布し、さび病の被害を抑えるべく努力しているが、これらの農園もいずれさび病 に強い品種に植え替える必要がある。これらの2グループでコロンビアコーヒー全生産量の85%を占めている。最後に一番問題となるのが、残りの約25万ヘクタールだが、これらの農園は木が古くしかもさび病に弱い品種が植えられており生産性が低いので、早急にさび病に強い品種に植え替える必要性に迫られている。これらの農園には、2億ドルをかけて今後4年以内に全ての木を植え替える予定である。これらのプロジェクトを遂行し、4年以内に14百万袋を生産する計画を立てている。
3. 今年、7月の生産量が前年比30%落ちたが、これは昨年第3四半期の雨が影響し、花がうまく咲かなかった為に実がつかず、減産となったものである。農産物の生産の可否は天候によることが大きく、例えば今年(2010/11年度)は約9百万袋の生産が予想されているが、この数字は昨年に比べ1百万袋の増加であり、今後とも天候さえよければ、来年度は更に1百万袋上積みされ10百万袋となるはずである。しかし、これもすべて天候が良ければという条件付きのもので、今の段階では確かなことは言えないというのが正直なところである。