コロンビア編(2009.04)
2009年4月現在において、コロンビア珈琲の買い付けが出来ない状態にあります。
FNCとミーティングを致しましたのでご報告いたします。
(1)2008−2009クロップの減産について
2008年4月までは平年並みの生産量で推移していたものの、5月以降の生産量は前年よりも少なくなっていることがわかる。しかしながら輸出量に関しては平年と変わらず推移した。
減産の要因としては大きく次の3つが挙げられる。
- 天候(雨量過多)
2007年夏から2008年5月にかけてのラ・ニーニャ現象による雨量過多 → 開花量の減少
→ 生産量の減少
- 肥料の価格高騰
石油価格の上昇に伴う肥料価格の上昇、石油価格下落後も高止まり → 農家での肥料使用量の減少、生産量の減少。
- 古い樹の植え替え
コロンビアのコーヒー栽培面積は80万haであり、その内約半分である40万haは生産性の悪い古い樹でコーヒー生産を続けている。世界的な需要増をうけ2006年より植え替えを開始するも、予定よりも植え替えがやや進行しすぎており一時的にショートしている。
しかしながら2006年に植え替えをした新しい樹に実がつき始めており、今年の予想生産量を考えると平年並みの水準である1,100万袋に達する見込み。また中期的計画として2014年までに生産量が1,700万袋を超える見込み。現在政府と連携して植え替えキャンペーンを行なっており、2008年までですでに植え替え予定面積の50%(全体の栽培面積の25%)の植え替えが終了している。
以上をふまえFNCの対策は次の2つ。
- 農家の肥料購入に対する援助
政府とFNCの連携のもと2009年は「フェルティフトゥーロ」というプロジェクトを立ち上げ、肥料購入援助として800万US$の投資をする。
- 古い樹の植え替え
上記の通り、将来的には増産という結果をもたらすため。
(2)Q&A
Q:オファーが出始めるのはいつごろからなのか。
A:タイトな状況は今年いっぱい続くと考えられ、10月からのメインクロップを考慮してもオファーできる量は限定されている。しかしながら日本のロースターの重要顧客には優先的に需要に応えたいので絶えずコンタクトをとりつづけ、要望などあればどんどん言って欲しい。
Q:リノベーションに関して、植え替える品種はFNC指定なのか。
A:現在中央研究所であるCENICAFEで扱っているのが、カスティージョ・カトゥーラ・ティピカ・タビの4種類。特に指定は無く、この中から自分の農園の環境にあった品種を選び植えている。
Q:植え替えの理由は?
A:老木で生産性が低いため、長期的な農家の収入改善計画の一環。
コーヒーの樹は通常6年目が生産性のピークを迎え、その後次第に低下していく。
Q:減産によってこのようなタイトな状況になることが昨年の5月からわかっていたのではないか。もっと早く対策をとれたのではないか。
A:まず第一に生産量は大方予想できても、輸出業者は数多くあるのでそれぞれの販売数予想はできない。また天候に関してはどうしようもない。2008年は民間企業の積極的な販売攻勢で2007年とほぼ同レベルの輸出先物契約が進んだ。FNCは昨年8月頃からオファーを止めていたが、一部の民間企業は例年通りメインクロップが入荷しはじめればショート売り分は手当てできると判断した上で先物契約を伸ばしていた。現実には前年比生産減に加え国内繰越在庫もなく、結果的に需給バランスは100万袋のショートとなってしまった。ただ次のクロップ見通しは今のところ良好なので、先物ディファレンシャルは期近に比べ軟化してきている。