ロシアの最新コーヒー市場 2011年12月
ICO民間部門諮問委員会にて、
ロシア紅茶・コーヒー協会理事長Mr.Ramez Chanturiya氏による発表
・ロシア市場では主にソリューブルコーヒーが飲まれているが、近年レギュラーコーヒーの消費量が着実に伸びてきている。ソリューブルコーヒー:レギュラーコーヒーの消費量比率は、2005年には76:24だったが、2010年には71:29となっている。
・2010年のコーヒーの市場規模(2イン1<砂糖とソリューブルコーヒーが一緒になった製品>及び3イン1<砂糖、クリーム、ソリューブルコーヒーが一緒になった製品>を含むすべての製品)は、2009年とほぼ変わらず112,000〜114,000MTである。ロシアにおけるコーヒー需要は堅調だが、消費を大きく伸ばすためには、消費促進のための宣伝活動が不可欠である。
・2010年の市場規模は卸売金額ベース(米ドル換算)で大きく増加し、24億米ドルとなった。主な原因はコーヒー生豆価格の上昇である。2010年中にコーヒーの小売価格は20〜25%上昇した。
・2010年にコーヒー生豆の輸入量は前年比17%増加して、88,300MTとなった。輸入オリジンとしてはベトナム(31.6%)、ブラジル(25.6%)、インドネシア(9.4%)の順である。ソリューブルコーヒーの輸入先としてはインド(27.9%)、ブラジル(19.4%)、スペイン(9.9%)の順になっている。
・現在、輸入関税はコーヒー生豆が0%、レギュラーコーヒーが10%(ただし0.2ユーロ/kg以上)、ソリューブルコーヒーは10%(ただし0.5ユーロ以上)であり、国内のコーヒー加工業者を適切に保護できる水準である。ロシアにおけるコーヒー製造業への投資金額は6億米ドルだが、国内資本のシェアーはレギュラーコーヒーの80%、袋詰め輸入ソリューブルコーヒーの65%、国産ソリューブルコーヒーの40%である。
・現在の問題点は、コーヒー生豆の価格上昇の為、メーカーは製品価格を上げるか品質を下げるしかなく、結果として、消費者はコーヒーではなくお茶を飲むようになるのではないかということと、ロシアとカザフスタン、ベラルーシの関税同盟の為、ロシアのWTO加盟の可能性が低くなるのではないかということである。今までロシアコーヒー業界は世界のコーヒー業界とは距離があったと思うが、ICOに加盟すべきと考えている。
・2012年9月17日にモスクワで第三回世界珈琲フォーラムを開催する。