コーヒー産地市況ニュース
平成22年3月29日
ブラジル農務省は2010/11年度クロップの収穫や保管に要する費用に関連して、生産者に対し21億レアル(11億4千万ドル相当)の資金をFUNCAFE(コーヒー基金)を通じて貸し出すことを発表。同国でも生産コスト、特に人件費が年々上昇している。
Jetroアフリカ2010年2月報によると、ケニアのコーヒー研究基金(Coffee Research Foundation)がCBDと錆病に耐性がある早成種を開発。ケニアで栽培されている主な4品種(SL28,SL34,K7,Ruiru 11)と比較して味も優れている、とのこと。新品種の名前は未定だが2010年半ばにも販売開始予定、と報道されている。
世界のコーヒー生産量に占める地域別シェア(%)の変遷 出所:C&CI誌March2010
大陸 | 1970年代 | 1980年代 | 1990年代 | 2000年代 |
アメリカ | 63.9 | 65.5 | 65.8 | 61.6 |
アフリカ | 26.9 | 21.7 | 15.8 | 12.9 |
アジア・オセアニア | 9.2 | 12.8 | 18.4 | 25.5 |
上記期間中、ブラジルはシェアを28%(70年代)から32.2%(2000年代)へ、ベトナムは0.8%から12.8%へ顕著な伸びを示した。他方、中米やアフリカ各国ではシェアの低下が目
立ち、ロブスタ種に限ってみると、70年代には世界の76%を占めていたアフリカが現在では約22%にまで低下、代わりにアジア(ベトナム、インドネシア他)が60%を占めるようになっている。
2010年3月23日
ブラジル・コーヒー工業会(ABIC)は2009年度の国民一人当たり焙煎コーヒー消費量を4.65kgであったと発表した。これは史上最高となった45年前の4.72kgに近い記録で、今後一人当たり5杯分ずつ増えれば2010年度には記録が更新される見込み。
大手コーヒートレーダー・ノイマングループは最新四半期コーヒーリポートで、ブラジルの2010/11年度コーヒー生産量を5,800万袋と予想している。アラビカ種が4,200袋(前年比950万袋増)、ロブスタ種が1,600万袋(280万袋増)。
イタリアの大手ロースターLavazza社もブラジルの2010/11クロップを約5,700万袋と推定しており、今後コロンビア・マイルドの代替品手当ても含めて同国産のコーヒー豆買付を昨年実績の110万袋から120万袋ほどに増やしたいとの意向を示した。
ベトナム・コーヒーココア協会は、同国政府が価格調整を目指して20万トン(333万)のコーヒー生豆備蓄計画を承認したこと、金利優遇策も用意されることなどを発表。大手輸出業者数社が計画に賛同し、備蓄を進めているとのことだが、効果についてはまだ懐疑的な状況。それに伴い、生産者の売り控えや納期遅れも見られるが、トレーダーは政策の影響というよりはロンドン市場の低迷によるところが大きいと語っている。同国内にはまだ09/10年産コーヒーが570万袋程売れ残っているとの報道もある。
2010年3月15日
国際コーヒー機関(ICO)は、2009〜10年度の世界のコーヒー生産予想を前回見通しの1億2400万袋前後から1億2600万袋に上方修正した。また2010年度の消費量については1億3,400万袋と予測され、ここ数年間の年間平均伸び率は2.5%とのこと。
ブラジルのコーヒー生豆輸出審議会によると、同国の2月の生豆輸出量は201万袋(1袋=60キロ)で、前年同月(240万袋)比16%の減少となった。2010年1月ー2月の累計では472万袋で前年同期比4.65%減少している。同期の主な輸出先はドイツ=21%、米国=17%、イタリア=10%、日本=7%の順となっており、地域別ではヨーロッパ向けが最も多く58%を占めた。
コロンビアのコーヒー生産者連合会によると、2月のコーヒー生産量は前年同月比25%減の65万袋に留まった。雨不足で豆の熟成が遅れたり樹木が育たなかったりしたほか輸出向け商品の品質も低下しているとのこと。輸出量は同41%減の555,000袋。
クリスチャンサイエンスモニター紙によると、世界の有機栽培コーヒーの75%はラテンアメリカで生産されているが、近年はその付加価値に支払われる対価が見合わなくなってきており、非有機生産に戻る農家が増えている。有機栽培コーヒーは人にも自然にも優しいと言われ、とくにコーヒー相場が低迷していた10年ほど前から高い価格で販売できるということで奨励され、転換する農家が増えていた。しかし、生産コストが割高なほか、認証を受けるには土地作りに3年が必要でその期間も農家の負担となる一方、農薬や化学肥料を投与して大量生産できる非有機品との値差が縮小し、失望した農家が離脱しはじめている。
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