コーヒー産地市況ニュース
2010年9月28日
(ブラジル)
気象予報会社のSOMARによると、寒冷前線の影響で先週末にパラナ州やサンパウロ州でまとまった雨が降り、27日(月)〜28日(火)にかけてはモジアナ地方、セラード地方、ゾナ・ダ・マタでもまとまった降雨が観測される見通し。
(中米)
米国ハリケーンセンターによると、先週末にグアテマラに到来した熱帯低気圧Matthewは勢力を弱めつつあるものの、豪雨をもたらすと予想さ れているため、この先数日間は土砂崩れなどの被害が発生する可能性があり、引き続き警戒が必要とのこと。また、未だアメリカ大陸からは遠く離れているもの の、大西洋上の熱帯低気圧Lisaが勢力を強めハリケーンとなったとのこと。
(ベトナム)
同国輸出業者によると、同国の収穫は例年通り雨季が終了する11月頃に始まり、12月頃にピークを迎える見通しであり、雨季の終了が例年より早まれば10月後半から収穫が開始される可能性もあるとのこと。
2010年9月27日
ベトナム・コーヒー・ココア協会(VICOFA)は24日、2010/11年度のコーヒー生産量が前年度の1800万袋から1750万袋に減る見込みと発表。一部の生産地で雨量不足の影響がみられる他、平年より遅い降雨で収穫も10月後半〜11月に遅れる見込み。
メキシコ、コロンビア、ペルー、ドミニカ共和国、並びに中米5か国の8月度コーヒー輸出実績は前年同月比0.7%増加して176万袋、2009年10月から2010年8月末までの累計は2177万袋(前年同期比10%減)となった。
ケニアの2010年1月−5月におけるコーヒー生産量は、天候不順の影響で前年同期の33,612トンから21,363トンに減少した。
ニカラグアでは今年の5月に同国を襲ったハリケーンAgathaの被害を受けて、また裏年ということも影響して、2010/11年度コーヒーの生産量は前年比15%少ない130万袋となる見通しを発表した。
米コーヒーチェーン大手スターバックスは23日までに、コーヒー豆やココア、砂糖などの主原料の市場価格上昇に対応するため、米国内で一部商品 を値上げすると発表した。対象は主に大型サイズのコーヒー飲料で、エスプレッソ飲料やトール(小)サイズのコーヒーは当面現行価格を据え置く。食品スー パーなどで販売するコーヒー豆なども今後、値上げを検討する。(日経紙)
2010年9月21日
ハワイ州農務局は、コナ・コーヒー産地で寄生虫が発見され、ハワイ大学の研究者も交えて対策に取り組んでいることを明らかにした。まだ調査段階であるが、すでに早魃に苦しんでいるKainaliuからHonaunau地区にかけて被害が懸念されている。
スターバックスコーヒージャパンは業績改善していることを受けて、出店や低価格戦略で攻勢に転じる、と発表した。2011年度から年間最大60 店を出店し、手薄だった郊外へ店舗網を広げる。2杯目コーヒーを100円にするサービスも恒常化させる。同社は先月末で約870店を展開しており、09年 度は35店にとどまっていた新規出店数を上積みし、3年以内に1000店体制とする。景気後退以降、売上高が伸び悩んでいたが、価格戦略が奏功して客数が 回復しており、成長軌道の確保を狙う、とのこと。
2010年9月21日
【メキシコ産地情報】
・昨今の大雨により、収穫は通常より3-4週間遅れており、早くて来週から低地にて収穫が開始される見通し。
・品質に関し現時点で判断することは、時期尚早ではあるが、通常通りとなる見通し。
・輸出は11月に低地産中心に開始され、日本向けの中心グレードであるHG(Altura)は12月、SHGは早くて1月下旬からの輸出となる見通し。
・9月14日(火)にカリブ海沖で発生した熱帯低気圧Karlは、コーヒー生産地であるベラクルス州を通過し、洪水被害により4万人が避難した。 しかしながら、コーヒー農園の直接的な被害は報告受けていない。主要積出港であるベラクルスの被害状況に関しては確認中であるものの、現在はコーヒーの端 境期となっておりコーヒーの船積み遅れなどの影響はない模様。
【ブラジル産地情報】
ブラジルの主要コーヒー生産地であるミナスジェライス州の降雨予想は、最もコーヒー生産量の多い南部に2-3mmの降雨が続く見通し。20日にはより広範囲での降雨がある見通し。
2010年9月13日
ブラジル食糧供給公社(CONAB)は2010年7月〜2011年6月のコーヒー収穫量を5月に発表していた4704万袋から4720万袋に上方修正し た。今年の良好な生産環境を反映したものであり、前年比およそ20%近い増産となるが、その内訳はアラビカ種が3600万袋(前回予想は3531万袋)、 ロブスタ種は1120万袋(前回予想は1174万袋)と発表された。
エチオピア貿易省によると、同国の2008/2009(7月-6月)のコーヒー輸出額は悪天候による不作や残量農薬問題における日本の輸入量激 減により3億7580万ドルに留まっていたところ、2009/2010同期では5億2800万ドルに回復した。(Jetro情報)
コロンビア国立コーヒー生産者連合会によると、8月のコーヒー生産量は前年同月比55%増の61万5千袋となり、今年8月までの累計は540万 袋(前年同期比4%増)となった。月間生産量は回復基調にあるが、2006年の8月度生産量は99万袋、2007年は114万2千袋であったことから考え ると依然低水準にある。2010年度の目標とされている1000万袋達成には9月-12月に460万袋を生産する必要があり、厳しい状況だ。8月は輸出量 も前年同月比26%増えて59万6千袋となった、とのこと。
2010年9月13日
【ブラジル産地情報】
9日、ブラジル政府の穀物供給団体(CONAB)は、同国の2010/11年クロップのコーヒー生産高が4720万袋(袋=60kg)に達する可 能性があるとの見通しを示した。3回目となる今回の見通しは、前回予想から20万袋の小幅な上方修正となった。品質面に問題はなさそうだが、コーヒー豆の 粒が小さいことが懸念されている。
【コロンビア産地情報】
8日、コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)は、2010年8月のコロンビア産コーヒーの生産量を61.5万袋(袋=60kg)であったと発 表した。当該生産量は過去10年の8月平均生産量(約70万袋)を下回っているが、昨年の8月よりは約22万袋回復している。2010年1-12月の生産 量は900〜950万袋近辺に落ち着くと思料する。
【ベトナム産地情報】
・2010年8月までの09/10クロップの累計輸出量は、17.2百万袋となる見込み。
・全生産量の97%は、農民から市場へ売り出されている模様。
・2010年1月〜8月におけるBuon Ma Thuot地域の降水量は911mmで、過去五年間の同期間における平均降水量1220mmと比較すると約25%減。
・雨季到来の遅れにより、ニュークロップ(10/11クロップ)の収穫が遅れる可能性有り。
【グアテマラ豪雨情報】
グアテマラでは、先週より降る続く豪雨の影響で、土砂崩れなどによる被害が相次いでいる。弊社現地駐在員からの詳細情報は以下の通り。
(1)都市部への影響
Guatemala cityには深刻な影響はなし。
(2)都市近郊地域及びインフラへの影響
本邦でも報道されている通り、都市近郊地域ではかなり深刻な影響があり、現地報道によると今般の大雨で影響を受けている人数は約42000人、内 約6000人が非難を余儀なくされている。土砂の下敷などによる死者は約40名に上がっている。特にグアテマラの南/南西地域(太平洋岸)での被害が多 く、幹線道路の遮断が多く見られる。尚、コーヒー輸出港のPuerto Quetzalへの道路は現在既に復旧しており、混雑はあるものの大きな影響はない状況。一方大西洋側Santo Tomas港への道路は土砂崩れにより現在も遮断されている。
(3)コーヒー産地への影響
輸出業者に確認したところ、太平洋岸エリア(低地産)産地(コーヒー樹木自体)への影響は今のところない模様。但し、産地周辺のアクセス(道路、 橋)などは損壊しており、主に物流面で懸念が残るが、現在は丁度端境期であり、問題がすぐに顕在化することはない模様。今後、雨季はまだ9、10月と続く が、これまで同様のペースで降り続くと多湿によりカビ・黒豆の発生が予想され、品質/数量とも影響を受ける可能性があり。
【ICO世界コーヒー輸出高実績・生産量見通し】
国際コーヒー委員会(ICO)は8日、昨年10月から今年7月までの2009-2010年度産の世界コーヒー輸出高が前年同期比5.2%下回る 7850万袋(1袋=60キロ)になったことを明らかにした。コロンビアの輸出高が前年同期比22%下回ったことや、ベトナムの輸出減少によりロブスタ・ コーヒーの輸出高が同6.3%下回ったことなどが背景。一方、2010-2011年度のコーヒー生産高は1億3300万〜1億3500万袋と、前年度の1 億2000万袋を上回るとの見通しが据え置かれた。
│ 最新情報へ戻る │