コーヒー産地市況ニュース
2011年5月26日
ブラジル
・冬季に入り最初の寒冷前線が産地に到来した影響もあり、南部の山間部では夜間の気温が0℃近くまで低下したものの、現時点ではミナス・ジェライス州の山間部等では10℃程までにしか気温が低下していない。また、一部の海岸地域を除いて乾燥した天候となっており、収穫/乾燥に適した天候となっているとのこと。
・また、現時点ではコニロンの収穫は約12〜15%終了したとの意見がある一方、アラビカに関しては、今シーズン最初の収穫が始まった段階であるとのこと。
・米国農務省(USDA)は、11/12クロップにおける最初の生産量見通しを発表した。同発表によると、11/12クロップの生産量見通しは前年度(5,450万袋)比約10%減の4,920万袋/60Kgとなり、そのうちアラビカが3,470万袋、コニロンが1,450万袋とのこと。また、コーヒーの生産面積は215万ha、単収は22.88袋/haとなる見通し。
コロンビア
・FNCは11年の生産量見通しを950万袋/60Kg、12年の見通しを1,100万袋としたが、FNCは例年、実態より多めの生産量見通しを発表する傾向にあり、実際の生産量は上記見通しより少なくなると予想されている。
グァテマラ
【収穫】:各地の詳細な、開花及びチェリーの生長状況は下記の通り。
・Santa Rosa:チェリーは順調に生長しており、スクリーンサイズも例年並と予想されている。
・Jutiapa:今のところチェリーは順調に生長している。
・Jalapa:先週は乾燥した天候となり開花の量はそれほど多くなかったものの、チェリーは今のところ順調に生長している。
・Fraijanes:昨クロップ発生したサビ病の影響で、今クロップの生産量も低迷する見通し。
・Chiquimula:天候に恵まれ、開花は順調に進行しており、3度目の開花が訪れる見通し。
・Suchitepequez:多雨によりブロカが発生している。
・Huehuetenango:約1ヶ月間降雨が観測されておらず、非常に乾燥した状態が続いており、雨季の到来が待たれている。
・San Marcos、Quetzaltenango:標高の低いPWやEPWの産地では、順調にチェリーの生長が進んでおり、HBの産地でも3回目の開花が終わりを迎えつつあるなど、今のところ順調に開花が進んでいる。ただし、SHBの産地では2度目の開花が観測されておらず、開花が順調に進行しない可能性もある。
ホンジュラス
【収穫】:10/11クロップに関しては、500万袋/60Kgが販売済で、販売額は12億ドルに達した。
また、情報筋によると、同国の有機玉の輸出量は40万袋/60Kgとなり、輸出額は2,500万ドルに達したとのこと。
エチオピア
西部や南部の国境地帯の一部では晴天が続いているものの、雨季のため概ね全域で降雨が観測されており、チェリーの成熟に適した天候となっている。
2011年5月23日
ブラジル
■天候情報
・2月中旬より例年と比較し多雨が続いている。特に4月に入ってからの降雨量が多く、各地に洪水、浸水等の被害をもたらしている。
本年はラニーニャ現象に見舞われ、IDEAM(気象予報センター)によれば、雨がちの天候は6月末まで続く見通し。
また、NOAA(国家海洋気象局)は太平洋海域の水面温度は4か月連続して平常温度(0度近辺)で推移しており、間もなく(6月末)ラニーニャ現象は消滅するとの見通しを示しているが、」いづれも6月末までは多雨が続くとの見方では一致している。
■クロップ情報
(ミタカクロップ見通し)
・昨年秋口から12月までの天候は連日の雨。開花は最悪の状況であった。湿気によるさび病が蔓延し、現在に至っている。
特に(さび病に弱い)Caturra種が多い区域(Huira、Cauca等)の被害は深刻で、回復にはかなりの時間がかかる模様(3割は植替えが必要といわれている)。
このため生産量も大幅に落ち込む見通し。輸出業者によって見方は異なるが、大方Cauca州30%減、Huira州30%減、Nariono州10〜20%減との見方が大勢。
Coffee Year(Oct'10〜Sep'11)の生産量は7.5-8.0 百万袋の見通し。Oct'10-Mar'11の生産量が5.4百万袋であったので、今後半年(Apr'11〜Sep'11)の累積生産量は2.5百万袋前後ということになる。
(ミタカクロップ見通し)
・まだ、見通しはたたず、不透明感がある。1月中旬〜2月にかけての開花は順調であった。
ここだけ見れば例年通りの収穫が期待できそうだったが、上述のとおり2月以降多雨が続いている。特に4月以降の雨量は尋常では無い。
これにより花が落とされ、また、施肥後の肥料が流された可能性がある。メインクロップの見通しを立てるには、7月に入ってからの実のつき具合を精査する必要がある。
中米産地情報
■天候情報
・グアテマラでは、5月から雨期に入っているが、例年同様地域別に降雨状況に差があり、本年はその地域のさらに内部でも差がある模様。
グアテマラシティーでは、5月に入ってすぐに午前/快晴、午後/大雨という日が数日続いたが、月中盤より午後の大雨が見られなくなり、シティー近郊のFraijanesでは雨が少なく、かなり樹木にストレスがかかっている。
また、隣国エルサルバドルでは、4月下旬に多少の降雨はあったものの、現在はコーヒー産地への降雨が例年より少なく、輸出業者や生産者の間ではクロップに影響が出る可能性があるとのコメントあり。ある大手輸出業者によれば、豊作だった10/11クロップと比べて、30%程度の減産の可能性もある(約100万袋/60kg)、とのこと。
その他の中米諸国においては、概ね例年通り雨期に入っている模様。
■クロップ情報
・昨今の相場・プレミアム高騰により、中米各国の生産者の収入が劇的に増加しており、肥料や農薬の活用により生産効率が改善、生産量拡大に繋がる可能性有り。
2011年5月18日
ブラジル
・ゾナ・ダ・マタやスルデ・ミナスの標高の低い産地からセミウォッシュドが出荷されており、例年に比べスクリーンサイズが25%程大きいことに加え、カップの評価も高い等、全体的に品質が高くなっている。ただし、ペルーやホンジュラス等の他産地より、低価格のウォッシュドコーヒーがオファーされているため、セミウォッシュドの価格が低下しており、ファインカップとの価格差が縮小しているとのこと。
同国南部より到来した寒気団の影響で、今週後半頃にはパラナ州、サンパウロ州、ミナス・ジェライス州南部で降雨が予想されている。
・コニロンの生産地では、乾燥した天候が続いており、収穫がピークには達していないものの徐々に本格化しつつある。一方、アラビカの生産地では、完熟した豆の収穫が始まりつつあるものの、収穫が本格化するのは5月末から6月以降と予想されている。
CONABは、第2回目の11/12クロップの生産量見通しを4,350万袋/60Kgとし、そのうち3,218万袋がアラビカ、1,136万袋がコニロンとした。
・11/12クロップはオフクロップであるにもかかわらず、天候に恵まれたことや生産技術の向上により、オンクロップである10/11クロップの生産量見通しから1,000万袋程しか生産量が減少しない見通し。
コロンビア
・多雨の影響でミタカクロップの収穫量が320万〜350万袋/60Kgに留まると予想されている影響で、輸出業者は引き続き期先のオファーに慎重な姿勢を崩しておらず、今後は減産による玉不足により国内流通価格が上昇する可能性があるとのこと。
・一部南部の産地以外では引き続き多雨の影響を受けており、ミタカクロップの収穫量は320万〜350万袋/60Kgに留まると予想されていることに加え、収穫/乾燥作業が困難になっているとのこと。また、コーヒー産地での雨は6月中旬頃まで続く可能性があるとのこと。
FNCによると、4月の輸出量は前年同月(58.8万袋/60Kg)比2.4%減の57.4万袋となった。多雨の影響で4月の生産量は前年同月(64.7万袋)比19%減の52.3万袋となり、1〜4月の累計生産量は前年同期(244.1万袋) 比22%増の297.4万袋となった。
グァテマラ
EPWの産地では結実が見られる等チェリーの生長は順調であり、HBやSHBの産地でも開花は順調。
エルサルバドル
カリブ海方面から到来した湿った天候の影響で、同国の北部と火山地域では雨が観測された。
同国コーヒー協会によると、4月の輸出量は前年同月比約60%増の19.2万袋/60Kgとなり、10年10月〜11年4月までの累計輸出量は前年同期比54%増の98万袋となった。4月の輸出額も前年同月比80%増の6,134万ドルとなった。
ホンジュラス
海外バイヤーは期近の買付しか行われず、需要は低下している模様。
現地では曇天が続いているが、気温は29℃〜35℃に達している。
天候に恵まれた影響で殆どの産地で、今のところ開花は順調。
2011年5月9日
コロンビア
先週の中頃まで豪雨が続いた模様で、土砂崩れなどの被害が発生しやすい状態にあるとのこと。また、ミタカクロップに関しては、依然として収穫が始まっておらず、例年より収穫が遅れる見通し。豪雨により道路などのインフラが被害を受けており、産地から港までへの輸送コストが上昇しつつあるとのこと。
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