コーヒー産地市況ニュース
2011年12月28日
エチオピア産地情報
エチオピア政府より同国産コーヒー生豆の輸出は原則フレコンにするという通達がなされた件について、ドイツ、スイス、フランスの業界団体の抗議により実施は一年延長と発表されていたが、同国内においても輸入への影響が大きいと考えられており、実質的には適用にならない可能性が高いとの事。
生産量予測情報
先日USDAより発表された11/12crop生産量予想は以下の通り。(1袋=60kg換算)
・世界全体 :1億3,380万袋(6月発表比 -120万袋)
・ブラジル :4,920万袋(同変更なし)
・ベトナム :2,060万袋(同変更なし)
・コロンビア :850万袋(同 -200万袋)
・インドネシア:830万袋(同 +41.5万袋)
・エチオピア :470万袋(同 +20万袋)
・メキシコ ;430万袋(同 +60万袋)
2011年12月27日
タンザニア産地情報
只今、収穫はほぼ終えて来年に向けて残りのコーヒー果実を木から全て取り除く作業段階でした。
今年は裏作にあたり更にはここ数年続いている干ばつの影響もあり、減産と歩留まりの悪さが顕著な年でした。トータル生産量は631,000袋ほどになりそうです。
そして日本市場が好む大粒(AA,AB)が今年は乏しく、特に単一農園からはどの農園もAAをコンテナ単位で引き渡すことが難しいようです。
オークションも残すところ7,8回といったところで、2月には今シーズンが終わりそうです。それから来クロップまでブレイクを迎えます。今年独立50周年を迎えたタンザニア・キリマンジャロコーヒー、改めて啓蒙していきたいと思います。
2011年12月23日
コーヒー生産量情報
国際コーヒー協会(ICO)によると、2011年10月1日から2012年9月30日のコーヒー生産量は3.4%減になる。ICOの25カ国の加盟国は128.6百万袋(1袋=60kg)の生産量が見込まれており、これは昨年比4.5百万袋減である。
コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)のパルド氏は、「降雨は作物の品質に影響を及ぼさない」としている一方、ICOのオリベイラ氏はベトナム・ホーチミンにおける会合において、「世界的な生産量はわれわれが憂慮すべきものだ」としており、また、「経済停滞にも関わらず、世界の消費は過去10年に比べ2.5%の上昇を見せている」と発言した。
コロンビア産地情報
コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)は、11月の生産量84.5万袋/輸出量77万袋であったと発表した。
結果、2011年1-12月での生産量は800万袋を切る模様。近年の減産の理由は、1.ラニーニャ現象による降雨量増加、2.多湿によるさび病の流行、3.リノベーションプランによる一時的な生産量減が挙げられる。同国はリノベーションプランにより老木及び病虫害に弱い品種を植え替えており、2011年中に120,000haの植替えを予定している。ただし、2011年12月現在、約200,000haが植え替えを行ったばかりの若木であり、収穫が期待できない模様。2012年の収穫量を予想するには時期尚早であるが、1,000万袋を超えるのは難しいのではないかと思料する。
インドネシア産地情報
・米国農務省(USDA)は、インドネシアの11/12クロップの収穫高は前年比20%減の7.5百万袋(1袋=60kg)と、2年連続の減産となるとの見通しを発表した。主な原因は、2010年4月以降、開花期、チェリーの成熟期、収穫期、それぞれで通常より降雨量が多かったことを挙げている。一方、11/12の輸出量は前年比23%減の6.35百万袋になるとみている。
・インドネシア国内の消費量は、09/10の1.78百万袋から11/12には1.9百万袋に達するとしている。
韓国のコーヒー市場『韓国のコーヒー輸入額が過去最高に(朝鮮日報より)』
・韓国貿易協会によると、同国のコーヒー輸入額が、今年1月〜10月までで5億ドル(約389億円)を突破し、過去最高額を記録した。同じく過去最高だった昨年の輸入額(3億700万ドル=約239億円)を大幅に上回った。輸入額の内訳は、ブラジルが1億ドル(約78億円)で最も多く、次いでコロンビア(9,100万ドル=約71億円)、ベトナム(7,100万ドル=約55億円)、ホンジュラス(6,500万ドル=約51億円)、ペルー(2,900万ドル=約23億円)の順。
・インスタントコーヒーの原料として使用されるベトナム産ロブスタが輸入全体に占める割合は、08年の34.8%から昨年は13.8%と大幅に縮小。一方、ブラジル・コロンビア・ホンジュラス産のアラビカの輸入は大幅に伸びた。
・同国のコーヒー輸入額は、05年の1億4,000万ドル(約109億円)から07年には2億ドル(約156億円)を超え、昨年は3億ドル(約233億円)を突破するなど、急速に伸長。韓国は世界で11番目に大きい市場となり、韓国人が1年間に飲むコーヒーは350〜400杯と推定される。
・コーヒーの輸入が急増した背景には、若年層を中心とするコーヒーブームを追い風としたコーヒー専門店の増加がある。マーケティングリサーチ会社のニールセン・カンパニー・コリアが推計した今年の韓国のコーヒー専門店数は約9,400店で、ここ3年間で51%増加している。
ロシアのコーヒー市場≪ICO民間部門諮問委員会にて、ロシア紅茶・コーヒー協会理事長Mr.Ramez Chanturiya氏による発表≫
・ロシア市場では主にソリューブルコーヒーが飲まれているが、近年レギュラーコーヒーの消費量が着実に伸びてきている。ソリューブルコーヒー:レギュラーコーヒーの消費量比率は、2005年には76:24だったが、2010年には71:29となっている。
・2010年のコーヒーの市場規模(2イン1<砂糖とソリューブルコーヒーが一緒になった製品>及び3イン1<砂糖、クリーム、ソリューブルコーヒーが一緒になった製品>を含むすべての製品)は、2009年とほぼ変わらず112,000〜114,000MTである。ロシアにおけるコーヒー需要は堅調だが、消費を大きく伸ばすためには、消費促進のための宣伝活動が不可欠である。
・2010年の市場規模は卸売金額ベース(米ドル換算)で大きく増加し、24億米ドルとなった。主な原因はコーヒー生豆価格の上昇である。2010年中にコーヒーの小売価格は20〜25%上昇した。
・2010年にコーヒー生豆の輸入量は前年比17%増加して、88,300MTとなった。輸入オリジンとしてはベトナム(31.6%)、ブラジル(25.6%)、インドネシア(9.4%)の順である。ソリューブルコーヒーの輸入先としてはインド(27.9%)、ブラジル(19.4%)、スペイン(9.9%)の順になっている。
・現在、輸入関税はコーヒー生豆が0%、レギュラーコーヒーが10%(ただし0.2ユーロ/kg以上)、ソリューブルコーヒーは10%(ただし0.5ユーロ以上)であり、国内のコーヒー加工業者を適切に保護できる水準である。ロシアにおけるコーヒー製造業への投資金額は6億米ドルだが、国内資本のシェアーはレギュラーコーヒーの80%、袋詰め輸入ソリューブルコーヒーの65%、国産ソリューブルコーヒーの40%である。
・現在の問題点は、コーヒー生豆の価格上昇の為、メーカーは製品価格を上げるか品質を下げるしかなく、結果として、消費者はコーヒーではなくお茶を飲むようになるのではないかということと、ロシアとカザフスタン、ベラルーシの関税同盟の為、ロシアのWTO加盟の可能性が低くなるのではないかということである。今までロシアコーヒー業界は世界のコーヒー業界とは距離があったと思うが、ICOに加盟すべきと考えている。
・2012年9月17日にモスクワで第三回世界珈琲フォーラムを開催する。
2011年12月21日
中米2011/12クロップ見通し
ICOは先週メキシコを含む中米の2011/12クロップが、天候不順により前年比4.6%減の18.4百万袋/60kgになるだろうとの見通しを発表した。近年中米最大の生産国となっているホンジュラスにおいては、生産量は微増とみられているものの、降雨や寒冷前線の影響でデリバリーに遅れが生じつつあるとのこと。
2011年12月19日
エチオピア産地情報
エチオピア産コーヒーが、バルクでの出荷をすると通知が来ました。
2011年12月17日
中国産コーヒー栽培の見通し
中国南西部の雲南省に、中国全体の95%の生産量が集中している。
現行の作付面積は約30,000ヘクタール。コーヒーは標高900ー1200mの辺りで栽培されている。
小規模農家の作付面積は5 6ヘクタール程が平均。
雲南省のコーヒー栽培は農学的には、中米に類似している。
最大の問題点は、年間1350―1700mmとコーヒー栽培にとっては降雨量が乏しい。
中国全体でコーヒー栽培の95%の割合を占めている雲南省の現行生産量は60キロ麻袋で670,000袋と見積もられている。
以前政府主導でのコーヒー栽培は、失敗。
現在は、民間セクターがコーヒー産業を牽引している。
ネスレがこの分野では最大の役割を果たしている。農業訓練や農家への支援で、過去5年間で800万ドル以上の投資を行い、今現在も、4000以上の農家に直接支援を行なっている。
スターバックスは、中国政府と共同でコーヒー農園を立ち上げ、2009年から雲南省でコーヒーを買っている中国のコーヒー栽培条件は、非常に良好。土壌保全に対する配慮は欠けているが、一般的な条件である生産面、構造面、また技術面等、全てが整っている。
樹齢1〜4年の若木が85%を占めているため、生産性は抜群。
2015-16年クロップで、合計生産量1,607,593袋に拡大の予想。
雲南省では、今後約100,000ヘクタールまで作付け面積を拡大出来る見通しで、60キロ麻袋で260万袋の生産高の見込み。(グァテマラ約230万袋を凌ぐ)
コーヒーは茶畑の隣で栽培されていて、コーヒーがお茶に取って代わって栽培されている様なことは起こっていない。
生産者は利益を重視しているので、コーヒーと茶の並行栽培を行なっている。
過去3年間コーヒーは、お茶の利益率を上回っている。
生産者は、コーヒーは金儲けできる農作物だと認識している。
中国の生産者は、他の伝統的なコーヒーの生産国と違い、古く誤った昔からの考えに固執することはない。
この事は、中国のコーヒー栽培を発展させていくのに大きなプラスである。
このことから、中国での高品質のコーヒー栽培の量と質には、大いに期待できる。
2011年12月9日
ブラジル産地情報
ブラジルの輸出業者Terra Forte社は、28日、12/13クロップの第一回フィールドサーベイを終え、生産量予想を5,230万袋(アラビカ3,720万袋、ロブスタ1,533万袋)と発表。同社によれば、開花は見事であったが、5月から9月へ乾季が長く続いたこと等で当初期待された生産量には達しない見込みであるとのこと。また、フィールドサーベイでは、多くの農園でコーヒーの木に剪定が行われていることが確認されたとのこと。
グァテマラ産地情報
・グァテマラ国立コーヒー協会(ANACAFE)によると、10月に中米を襲った豪雨の影響で、カビなどの病害が発生しており、特に影響を受けた農園(在 Chimaltenango)では収穫の約30%にダメージを受けたとのこと。
・現地輸出業者によると、現在収穫が進んでいる2011/12クロップの生産量は、総じて昨年並み、或いは5%程度の減少を見込んでいる。尚、10/11生産量は3.95百万袋(1袋=60kg)であり、5%減産となれば3.75百万袋程度とされる。地域別に事情は異なるものの、大産地であるSanta Rosa(グァテマラ国立コーヒー協会(ANACAFE)の定義ではNew Oriente)では昨年の豊作の反動での減産が、太平洋岸地域(低地産産地)では雨期終盤の豪雨による減産が、それぞれ要因として指摘されている。
コロンビア産地情報
コーヒー研究所であるCenicafe代表のFernando Gasto 氏は、2014年の生産量はラニーニャ現象の影響等で多雨となった場合には850〜900万袋/60kg、天候に異常がなければ1,200万袋程度になる見込みと発表した。また降雨パターン次第では2012年、2013年の生産量見通しの最低値がそれぞれ800万袋、820万袋となると予想している。
タンザニア産地情報
先週のオークションでは2万4千袋/60kgがオファーされ、前半では需要減に伴い価格下落の兆しもあったものの、結局価格は底堅く推移した。品質は全般的に改善している。通常ドイツ等向けに輸出されることの多い一部低級品の国内取引は、需要減に伴い活発でなかった。
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