コーヒー産地市況ニュース
2012年2月23日
コロンビア産地情報
・コロンビアでは北部を除く全国各地で降雨が続いている。特に大雨が観測されたのは中部〜南部の各県(Choco県、Antioquia県、Caldas県、Cauca県、Narino県、Putumayo県)。各地では開花が観測され、同国の生産者やアナリストによると、このまま平年通り天候が推移すれば、9〜10月から開始する今年のメインクロップはある程度生産量が期待できるとみられている。為替(ペソ/USドル)については、同国への海外直接投資の進展等によるペソ高が続いており、輸出業者にとって厳しい仕入れ環境が続き、ディファレンシャルは高止まりしている。
・FNCのルイス・ムニョス総裁は、2010/11クロップの生産量を7.551百万袋/60kgであったと発表した。この数字はここ15年で最も少ない生産量である。また今後の数字については、ラ・ニーニャ現象による悪天候が続いたとしても、昨年117,000haと多くのリノベーションを行った実績を材料に楽観視しているとのこと。実がなるようになるまで3年はかかるが、これまでのリノベーション効果がどこまででるのか期待したいところだ。
ブラジル産地情報
ブラジル国内のコーヒー消費量は依然として増加を続けているが、予想よりも鈍化している。2010年11月から2011年10月におけるコーヒー消費量は前年より3.1%増加し、19.72百万袋/60kgとなり、昨年初めに発表された5%増加という予想を下回る結果となった。
また同時期の予想では2012年終わり頃にはアメリカの消費量を抜き世界のトップに躍り出るとされていたが、今回の結果を受け、2013年時点まで延ばしてもその予想数量は21百万袋/60kgとなり、アメリカの現在値である23百万袋/60kgには満たない見込み。
2012年2月18日
コロンビア産地情報
FNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)は、2012年1月の生産量が前年同期比41%減の54万袋になったと発表。同月輸出量も、前年同期比37.4%の53万袋になったとのこと。病害対策のために植え替えられた木々が成長し、生産量拡大が見込めるまでには後4年ほどかかるとの声もある。
グァテマラ産地情報
リカルド・ビジャヌエバANACAFE(グァテマラ全国コーヒー協会)総裁によると、グァテマラのコーヒー輸出量は、10月-12月期で昨年同期比13%増の38万1500袋となった。これは、顧客の要請から今年の船積み時期が早期化したことによるもので、収穫自体は減産となり、ANACAFEによる公式予想は353万袋と下方修正されている。収穫期前に長期化した降雨の影響で、カビ病が広域に蔓延したことが主たる原因となっている。
ブラジル産地情報
CECAFE(ブラジルコーヒー輸出協会)は、同国の2012年1月コーヒー輸出量が前年同月比28%減の1,862,274袋になったと発表。品種別内訳は、アラビカ種が1,827,531袋、コニロンが34,743袋。同国1月の輸出量としては、過去5年間で最も少ない数量となった。
ベトナム産地情報
ベトナム税関発表データによると、同国からのコーヒー輸出量が112千MT程度に留まった模様。これは前年同月比約5割減と大幅減。旧正月の影響に加え、生産者らが今後の価格上昇を見込んで売り渋ってきたことが背景にある。
ウガンダ産地情報
UCDA(ウガンダコーヒー振興団体)によると、2012年1月のコーヒーの輸出量は前年同月比5.2%増の226,471袋となった。同国経済にとって、コーヒーは外貨獲得の主要な産業となっている。同国の農協によると、数量増加の理由としては、1.2011年11月からの乾期が生豆の乾燥工程を促進していることによる出荷の早まり、2.同国内のコーヒー作付面積の増加及び若木の成長による収穫量の増加、の2点が挙げられるとのこと。また、UCDAは2011/12クロップのコーヒー輸出量を従来の300万袋から320万袋に上方修正している。
米国コーヒー輸入量情報
米商務省は、12月のネット輸入量が、前年同月比7.5%増の2,046百万袋となったと発表した。2011年1-12月の同国累計輸入量は、前年2010年比5.2%増の22,561百万袋となった。
2012年2月15日
グァテマラ産地情報
ANACAFE(グァテマラ全国コーヒー協会)は、11/12クロップの生産量見通し(昨年対比)を発表した。
・San Marcos : +21%
・Atitlan : +9%
・Fraijanes/Antigua/Acatenango : -25%
・Huehuetenango : -16%
・Coban : +5%
・New Oriente1 : -18%(Barberena、Jutiapa、Santa Rosa)
・New Oriente2 : -7%(Zacapa、Chiquimura)
--------------------------------------------------------------
◎TOTAL -4%(350万袋/袋=60kg)
尚、天候面では典型的な乾期の天候が続いており、天日乾燥に最適な気候になっているとのこと。
ブラジル産地情報(国内消費量/ABIC)
2010年11月〜2011年10月の1年間の国内消費量は、1972万袋(前年同期比1913万袋、3.11%追加)。
国民一人当たりの消費量は、6.10kg(生豆ベース)、4.88kg(焙煎豆ベース)。1965年の4.72kg(焙煎豆ベース)を超える過去最高値となった。本年同時期の予想消費量は、2,041万袋(3.5%増)、2,100万袋を超えるのは、翌年になる見込み。
コロンビア産地情報
今年のミタカ・クロップ(通常4〜6月)は、昨年6〜8月にかけての晴天日の少なさ及び豪雨により開花状況が非常に悪く、同クロップの収穫量は3.1百万袋を記録した2011年と比べてもかなり減少するとみられている。一方、メイン・クロップ(通常10〜12月)については、開花期を迎える2〜3月にかけて現在の雨天が続くと、土壌の水分量が過多となり、開花に悪影響を与えると考えられる。
また、為替については1ドル=1,800コロンビアペソを割りドル安が進行しており、高値売りを期待する国内の仲買人による買い占めで、輸出業者にとって国内市場におけるパーチメントの仕入れが困難な状況が続いている。
タンザニア産地情報
タンザニアコーヒーボード(TCB)は、11/12クロップの生産量予測を当初予測の45,000トンかた37,000トンへと18%下方修正した。11/12は裏作にあたる年である上、干ばつ等の天候が減産の主な原因とされる。同国の10/11クロップ生産量は56,247トンであり、対前年比では34%減となる。
エチオピア産地情報
2011/12の生産量を9.8百万袋と予想しているが、これは同国がブラジル、ベトナムに次ぐ第三番目の生産国になることを意味している。もしこれが確定すればエチオピアは最近4年間生産量が停滞し、かつての水準に回復していないコロンビアを追い抜くことを意味する。アフリカ全体の生産量は2011/12に20百万袋に近づくこととなる。
インドのコーヒー事情
・ロイター通信によると、米国スターバックス社は、インド1号店を今年8〜9月中に出店する。同社は2011年に現地タタ・コーヒー社と生豆の納入契約を締結しており、インド進出の可能性も共同で模索していたが、今回それが合意に至ったものとみられる。
・現時点でインドに展開するコーヒーチェーン店は約1,600軒。主な店舗は、地場系アマルガメーテッド・ビーン・コーヒートレーディング社の運営する「カフェ・コーヒー・デイ」が1,200軒、伊ラバッツァの経営する「バリスタ」が225軒、英チェーンのフランチャイズである「コスタ・コーヒー」が75軒、その他100軒となっている。
日本の2011年コーヒー生豆輸入量
財務省関税局発表の速報値によると、2011年の日本のコーヒー生豆輸入量は前年比1.5%増の415,635トン(1袋=60kg換算で、6,927,250袋)となった。2008年以降、日本のコーヒー生豆輸入量は増加傾向にある(2008年比約7.5%増)。
2011年12月コーヒー輸出高
・国際コーヒー機関(ICO)によると、2011年12月のコーヒー輸出量が914万袋と、前年同期比0.6%減となった。これにより、2011年通年の輸出量は前年比7.1%増の1億368万袋。
・輸出高の内訳は、コロンビアマイルドが97万袋(-19%)、他マイルド系が189万袋(3.9%増)、ブラジルが300万袋(-13%)、ロブスタが328万袋(20%増)。
2012年2月13日
ブラジル産地情報(CONAB/IBGE生産量予測)
現状、例年通りの降雨量が観測され、結実時の天候状況としては順調といえるが、開花時期の降雨開始がずれ込んだこと、またその後の降雨量が一時的に十分ではなかったことを受けて、当初の生産量予測(最大6,000万袋前後)は下方修正されている。2012年1月10日付で、ブラジル農務省(CONAB)が第1回目のクロップ予想を発表したが、4,897〜5,227万袋(中間値:5,062万袋)という予測値になっている。(CONABとしては、初めて5,000万袋以上の数字を発表)また、同日のブラジル地理統計院(IBGE)の発表(毎月月初に発表)によれば、5,010万袋と予想されている。
コロンビア産地情報(コロンビア生産者連合会(FNC)発表)
FNCの発表によると、2011年1月〜12月のコロンビアの生産量は昨年同水準の約8.2百万袋(60kg)で、2012年初頭は低い生産量が続く見通し。輸出量は約8百万袋を記録し、昨年比10%増となった。ラ・ニーニャ現象による豪雨など天候不順の影響で生産量が伸びなかった。さび病に強い品種(カスティージョ種)への大規模なリノベーションプランが進行中で、2010年〜11年の2年間合計で202,000haの植え替えが完了したとのこと。今後は2008〜09年にかけて植え替えが完了している140,000haで新たな生産が見込まれ、生産量は緩やかに上昇していくものとみられる。
ペルー産地情報(ペルー全国コーヒー会議所(National Coffee Chamber)発表)
ペルー全国コーヒー会議所の発表によると、2011年1月〜12月のペルーの生産量は5,175,000袋(60kg)に達し、前年比29%増であった。
ウガンダ産地情報(ウガンダコーヒー開発庁より)
・同国はアフリカで最大の輸出国であり、同国ロブスタ豆の約85%はエスプレッソやインスタントコーヒーの原料として使用されている。
・2012年の1月の輸出量は23万袋(1袋=60kg)となる見込み(前年同期比6.9%増)。なお、2011年12月の輸出量は24万袋。
・2011年10月時点での発表では、2011/12クロップ(2011年10月-2012年9月)の輸出量は、前クロップ比較5%となる約330万袋となる見通し。
ニカラグア産地情報
・同国の2011/12クロップ(2011年10月-2012年9月)の収穫は標高が低い地域での熟成の遅れにより、例年より若干遅れが生じる模様。
・同クロップ最初の3ヵ月間(2011年10月-2011年12月)の輸出量は11万袋(1袋=60kg)を若干上回る程度となった。
・ニカラグア全国コーヒー委員会(Concafe)の発表によると、同国の2011/12クロップの生産量は約1.6百万袋となる見通し。
│ 最新情報へ戻る │