コーヒー産地市況ニュース
2012年3月26日
ブラジル・パートナーバイヤー情報
・パートナーバイヤーによると、ニュークロップは順調に生育しており、例年通り5月から収穫が始まる見通し。
・一方で、今年は霜害に注意を要する年だとされる。これは、今年の冬場の気象パターンは、ラニーニャの収束(エルニーニョへの移行)により落ち着いたものとなり、南からの寒気団の侵入を妨げる障害が少ないからだとされている。
中米輸出量情報
グァテマラコーヒー生産者協会(ANACAFE)は、2月の中米及びコロンビア、メキシコ、ペルー、ドミニカ共和国の輸出量合計が昨年同月と同レベルの254万袋と推定されると発表した。11/12クロップ5ヶ月分の累計は、前年同期比6%減の992万袋となる。
ジャマイカ産地情報(メキシコの新聞記事
ジャマイカは「コーヒークライシス(コーヒー危機)」に直面している。2003年に14,000t以上を生産していた同国も、今クロップは5,200t程度の見通しとなっている。
主な原因は生産量の90%を購入していた日本が購入量を減らし、また買い値もピーク時の6割程度になっていることで、生産者による農地の放棄または転作が顕著になっているとのこと。
コロンビア産地情報
流通量が減少しており、輸出業者及び生産者は今クロップの生産量は史上最低となると懸念している。2 月の輸出量は、前年同月比15%減となる556 千袋/60kg となり(前年同月実績は651 千袋)、また2 月の生産量は前年同月比25%減となる571 千袋/60kgとなった。
グァテマラ産地情報
今クロップの収穫はほぼ完了しているとのこと。また、多雨のためHuehuetenangoでは大幅減産となり、今クロップの生産量は事前予想を下回る見通し。
世界のコーヒー生産量
2011/12 年度の全生産量は今のところ、2010/11 年度に比し4.3%減の128.5 百万袋の見通しである。この減産の主な要因は、12%の減産となったブラジルのアラビカ種の2年サイクルにある。10%増産し17.8 百万袋となったアフリカ地域以外は全ての地域で生産量が減っている。アジア・オセアニア地域では、2010/11 年度の36 百万袋から34.7 百万袋に3.7%減産した。この減産は豪雨が影響したベトナムとインドによるものである。天候不順による悪影響は中米諸国でも報告されており、この地域の生産量は6.2%減少し18.1 百万袋である。ニカラグアとコスタリカのみは若干の増産を予想している。南米の生産量は2010/11 年度の62.8 百万袋から7.6%減産し58 百万袋の見通しである。コロンビアの生産量は、大雨、サビ病、ペスト、更には植え替えなどの影響で、過去連続3年間の低水準から未だ抜け出せない状況である。
ルクセンブルク(Luxembourg)の国民一人当たり年間コーヒー消費量
ICO レポートに消費国の国民一人当たり年間コーヒー消費量が掲載されていました。それによるとルクセンブルクは2010 年に28.44kg/人/年と、かねてより最もコーヒー消費量が多いとされていたフィンランドの12.12kg/人/年と比べても極めて高い数字でした。一部読者からどうしてこんなに多いのかとの問い合わせがありましたので、この疑問にお答えします。
ルクセンブルクは欧州連合(EU)のメンバーで人口50 万人ほど、国土は神奈川県程度の小国です。周囲をドイツ、フランス、オランダ、ベルギーに囲まれています。同国は海外からの企業誘致を促進する為、法人税を含む各種税金を安くしており、米国のスカイプ社、eBay 社、Apple 社などのインターネット関連企業が本社を置いています。また、多くの欧州企業も同国にEU 本社を置いており、帝人、ファナック、楽天などの日本企業も欧州本社を置いています。同国には近隣国から通勤してくる人が多く、労働人口の半分がコミューターと呼ばれる越境通勤者だとも言われています(東京と近隣県の関係と同じ)。同国では国内消費税も安く、標準税率は15%ですが、食料品は3%となっています。
因みに近隣諸国の消費税率は夫々次のようになっています。ドイツ(19%、7%)、フランス(19.6%、5.5%)、オランダ(19%、6%)、ベルギー(21%、6%)。更にドイツ、ベルギーでは消費税以外にコーヒー製品には物品税もかかります。ヨーロッパコーヒー連合(ECF)の人の話でも同国のコーヒー価格は隣国に比べて安いとのことで、越境通勤者を含む近隣諸国民の同国内でのコーヒー消費量が、人口そのものが少ないルクセンブルクの一人当たり消費量を押し上げているというのが実情のようです。
ICO 事務局の話ではフィンランドからも、ルクセンブルグの数字は異常値だとのクレームがあるようで、ICO としては今後、ICO のデータとしては残さざるを得ないが、混乱を避けるため、マンスリーレポートにはルクセンブルクの数字は乗せないことにするとのことです。
2012年3月10日
ブラジル・パートナーバイヤー情報
2月の輸出量は199万1千袋/60kgであったとのこと。CECAFEも来週に2月の輸出量を発表する予定。
Terra Forte グループは、コニロンの歩留まりが予想を上回る見通しであることを受けて、12/13クロップの生産量見通しを事前見通しの
5,250万袋から5,390万袋に上昇修正した。
コロンビア・パートナーバイヤー情報
全国的に乾燥した天候となっていたが、NarinoとCaucaでは降雨が観測されており、来週から降雨量が増加すると予想されている。また、生産者によると、今年メインクロップ開花状況が順調で、植え替えた樹は今年から結実し始めているとのこと。
グァテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル・パートナーバイヤー情報
全国的に暖かく、コーヒーの成熟に好ましい天候となっており、今月中に収穫が完了すると予想されているとのこと。
エチオピア・パートナーバイヤー出張報告
報告書はコチラ(PDF)≫
タンザニア・パートナーバイヤー出張報告
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2012年3月5日
中国に浸透するコーヒー文化
≪ネスレなど雲南省で原料調達拡大≫
中国でコーヒー文化の浸透に伴い、雲南省を中心に国内生産が拡大している。スイスの食品大手、ネスレや米コーヒーチェーン大手のスターバックスが雲南省でのコーヒー豆調達を強化しており、2011 年における雲南省プーアル市のコーヒー豆栽培地面積は284 万1,400 平方メートルと2年間で倍増した。
茶葉の産地としても有名な雲南省プーアル市。近年、コーヒー豆を栽培する農家が増えており、空前のブームに沸いている。中国中央テレビ(CCTV)の報道によると、同市で栽培されたコーヒー豆の価格は現在、1キログラム当たり34.5 元(約440 円)で取引されており、ここ3年間で2.2 倍上昇した。
需要拡大を受け同市政府も昨年10 月、 新産業として育成支援するため「珈琲産業発展弁公室」という専門部署を新設した。米コーヒーチェーン大手のスターバックスは昨年後半、同市内のコーヒー豆加工会社の株式51%を買収した。スターバックスはコーヒー豆の調達を南米地区に依存してきたが、中国市場向けに現地調達を拡大することで調達コストを低減するのが狙い。
■5分の1をネスレが購入
雲南省珈琲業協会によると、10 年における雲南省のコーヒー豆栽培面積は3.2 万ヘクタールで、全国の98%を占めた。11 年の生産量は3万8,000 トンに達した。コーヒー豆の栽培は北緯25 度から南緯25 度までの熱帯、亜熱帯気候の土地でなければ難しいため、世界2位の生産量を誇るベトナムと国境を接する、雲南省に栽培地が集中している。
コーヒー豆の国際価格が高騰し続けていることも追い風となり、雲南省へ買い付けに訪れる企業も増えた。ネスレもその一つで、数年前に買い付けを開始してから徐々に調達規模を拡大し、2011 年には雲南省全体の5分の1に相当するコーヒー豆を買い占めた。
ネスレ農芸部のウォルター経理は「コーヒー豆を買い付ける雲南省の農家の数はこの6年間で5倍にまで増やした。今後も増やす計画で、今後5年以内に調達量は現在の2倍になる」と見込んでいる。また業界関係者も「雲南省のコーヒー豆生産量は、20 年には20 万トン以上に達する」という見方を示している。
■チェーン店も拡大へ
世界全体におけるコーヒーの消費市場規模は現在、年間約12 兆元と推算されている。このうち最も規模が大きいアメリカが年間約3兆元であるのに対し、中国は年間700 億元とまだ小さい。ネスレの調査によると、中国人1人当たりのコーヒーの年間平均消費量はわずか約3杯で、日本の約330 杯、アメリカの420 杯と比べ極端に少ないことが背景にある。
ただ都市部などでは大手コーヒーチェーンの進出によってコーヒーを飲む習慣が徐々に広まっており、上海市住民の年間平均消費量は全国平均の10 倍となる、1人当たり約30 杯に上ると報告されている。
北京国際珈琲行業協会は中国のコーヒー消費量は毎年約15%のペースで上昇しているとして、内陸部や地方都市を中心に高い潜在需要を見込んで出店ペースを速めるコーヒーチェーンも少なくない。
スターバックスは先日、中国で展開する店舗数を現在の約550 店舗から15 年までに1,500 店舗に増やすと発表した。また華潤集団傘下のコーヒーチェーン、パシフィックコーヒーも、15 年までに1,500 店を目標として掲げている。
まだ発展途上で市場規模は小さいものの、中国でコーヒーを飲む習慣がさらに普及すれば、13 億人という膨大な人口を抱えている点から、その市場規模は大きくなりそうだ。
2012年3月2日
エチオピア産地情報
ハラーを除く地域、レケンプティ、ジマ、シダモは、今年は表作になるために量的には期待できるものの、ICOやUSDAで発表されているような大きな数字ではない、というのが大方の輸出業社の見解。見込みとしては500〜550万袋程で、世界第3位とはならない模様。一方で相変わらず国内消費は多く、半数は国内で消費している。現在ほぼ全土で水洗式コーヒーの加工を終え、非水洗式コーヒーを精選している段階。
ブラジル産地情報
・ブラジルコーヒー産業協会は、2010年11月〜2011年10月の1年間の同国国内コーヒー消費量を発表した。全体の消費量は1,972万袋となり、一人当たりの消費量は生豆換算で6.10kg、焙煎豆換算で4.88kg、前年と比べ1.45%上昇し過去最高となった。また、2011年11月〜2012年10月の消費量は前年同時期比3.5%増の2,041万袋となる見通しとのこと。
・ブラジル最大級の輸出業者Terra Forte社(在サンパウロ、輸出規模:1.5百万〜1.8百万袋/年)は12/13クロップの収穫量予想を以下の通り発表した。
◆1.12/13クロップの収穫量は53.9百万袋。11/12クロップ(裏作)比約16%増、10/11クロップ(表作)比約3%減。従い、過去最大の収穫量とはならない。特に、同国最大の生産地帯である南ミナス地域の収穫量は10/11クロップ比約12%減となる見込み。
◆2.昨年11月の第一回発表では52.5百万袋と予想していたので、本最終発表は上方修正となる。主原因は、コニロンの収穫量増加見通しによる(過去最大となる見込み)。
◆3.天候は昨年以降順調に推移しておりチェリーの発育にも良好な環境となっている。ただし、降雨が遅れたため、発育速度は遅く収穫は大部分の地域で遅れることが予想される。
ノルウェーコーヒー消費量
一人あたりの消費量が多い国として知られるノルウェーの2011年消費量について、現地関係者によれば前年比約6%縮小したとのこと。若年層がコーヒー以外の飲料を摂取する傾向にあること、量を摂取する代わりに品質の高いものを好む層も出てきていること、また金融危機により消費量そのものが減少していることなどが要因とのこと。なお、ICO2011年データによると、ノルウェーの一人あたりコーヒー消費量は年間8.92KG、日本の同消費量は3.36KG。
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