コーヒー産地市況ニュース
2012年4月28日
コロンビア産地情報
生産量が減少し、海外からの関心も低下している状況が続いている。ミタカクロップはまだ流通していないとのこと。
FNCによると3月の生産量は57.6万袋/60Kg、輸出量は58.7万袋となったとのこと。2011年にはリノベーション計画が順調に進行しており、対象面積は例年の平均である7万Haより大幅に増加し、約11.7万Haに達したとのこと。
タンザニア産地情報
4月19日に今年の最後のオークションが開催され、約6,600袋が出品される予定。輸出業者はニュークロップのオファーを始めて、米国、欧州、日本向けに9月積み以降の商売があったとのこと。
グァテマラ産地情報
グァテマラコーヒー協会(ANACAFE)によると、中米主要産地の輸出量は以下の通り。
2012年4月19日
グァテマラ産地情報
昨年の開花が早かった為例年より早い収穫が予想されていたが、年末の降雨により収穫が一旦止まってしまい、結果としてここ数年では最も遅い収穫となっている。10年前には5月まで収穫があった地区も、近年では天候異変(降雨パターンと温暖化)にて3月には終了となっていたが、今年は4月初旬〜中旬まで収穫が続く地区もある。中部(アンティグア・アカテナンゴ及び周辺地区)ではさび病の被害が低地(1,500m以下)で広がりを見せており、昨年10月以降一気に広がった。
≪主要輸出国の生産予想≫
2011/12 年度の全生産量は約131 百万袋と予測されるが、これは2010/11 年度に比べ2.4%少ない数字である。この減産は主にアジア・オセアニア及び南アメリカの減産が原因である。アラビカの2 年周期生産サイクルが原因で減産となったブラジル以外では、天候不順の為減産となった輸出国が何か国かある。
■アフリカの生産量
アフリカの生産量は、10 年間ほど低迷していたが、2011/12 年度は、2010/11 年度の16.1 百万袋に比し、18.5 百万袋と14.5%の増産である。もしこれらの予想が正しければ2011/12 年度のアフリカの世界生産量におけるシェアーは2010/11 年度の12%から14.1%に増加することになる。アフリカの主要生産国はエチオピア、ウガンダ、コートジボアール、カメルーン、ケニア及びタンザニアである。
2011/12 年度のエチオピアの公式予想は8.3 百万袋であり、世界生産量におけるシェアーは6.3%である。しかし、この生産量は最近の輸出量を考えると矛盾している、なぜなら、最近5 か月の輸出量は628 千袋であり、2010/11 年度の同期間の輸出量1.2 百万袋に比べるとかなり低いからである。ウガンダの生産量は2010/11 年度の3.3 百万袋に比べ13.4%減産の2.9 百万袋と推定される。コートジボアールの2011/12 年度の生産量は2010/11 年度の982 千袋に対し1.6 百万袋と大幅な増産予想だが、2000 年代前半の数字に比べるとまだかなり低い水準である。カメルーンも2010/11 年度の608 千袋から2011/12 年度には1 百万袋を超える増産予想である。ケニアも2010/11 年度の658 千袋から2011/12 年度の750 百
万袋に増産できる見通しだが、タンザニアは2010/11 年度の800 千袋から750 千袋に若干の減産予想である。
■アジア・オセアニアの生産量
アジア・オセアニア地域の生産量については、主要生産国が天候不順に見舞われ2011/12 年度の生産量に悪影響を与えている。全体の生産量は2010/11 年度の36 百万袋に比べ5.2%下げ、2011/12 年度は34.1 百万袋で、全世界の生産量の26.1%のシェアーである。主な生産国はベトナム、インドネシア、インド、パプア・ニューギニア及びタイである。ベトナムの生産量は2010/11 年度の19.5 百万袋に比べ10.1%減産の17.5 百万袋の予想である。しかし、2011/12 年度最初の5 か月の輸出量は逆にかなりの増産を示唆するものである。即ち、今の輸出量水準が今後2〜3 か月続くとするならば、2011/12 年度の生産量見通しを上方修正せざるを得なくなるだろう。インドネシアでは、2011/12 収穫年度はほぼ終了しており、生産量は8.3 百万袋の予想で、2010/11 年度の9.1 百万袋に比べると9.6%の減産である。同国では2012/13 年度も天候不順の影響がありそうだ。インドの生産量は、生産コストと労働者不足が抑制要因になりそうだが、5 百万袋から5.3 百万袋に6%の増産見通しである。パプア・ニューギニアの生産量は2010/11 年度の870 千袋から2011/12 年度には1百万袋に15%の増産予想である。過去12 年間の同国の生産量記録は2005/06 年度の1.3 百万袋である。タイはその国内消費需要に比べると低い生産量水準だが、2010/11年度の579 千袋に比べ2011/12 年度には850 千袋へと46.9%の増産を予想している。しかしまだまだ生産量は少ない。
■メキシコ・中米の生産量
天候不順はメキシコ・中米地域の多くの国々にも影響を与えたが、2011/12 年度の生産量は0.9%の減産のみに留まると予想される。主に水洗アラビカを生産し世界の生産量の14.6%を占めるこの地域の供給不安が減り、通常通りの供給量が確保できた為、市場に安ど感が広がった。この地域の主要生産国はメキシコ、ホンジュラス、グアテマラ、コスタリカ、エルサルバドル及びニカラグアである。メキシコの生産量は、2010/11 年度の4.9 百万袋に比し5.2%減の4.6 百万袋の予想である。メキシコの生産量は、2004/05 年度の3.9 百万袋を例外として、長年4〜5 百万袋の間を上下してきた。ホンジュラスは最近、グアテマラを追い越しこの地域の生産量NO.2 の座を確保したようである。同国の2011/12 年度の生産量は、2010/11 年度の4.3 百万袋に比べ4%増え4.5 百万袋の予想である。グアテマラは2010/11 年度の4 百万袋に比し5.1%減り、2011/12 年度には3.8 百万袋の予想となっている。エスサルバドルは悪天候に最も影響された国で、2011/12 年度の生産量は、2010/11 年度の1.9 百万袋に比べ28.5%の減産となり、1.3 百万袋の見通しである。ニカラグアの生産量は2010/11 年度の1.8 百万袋に対し2011/12 年度には2.1 百万袋に16.4%の増産予想である。コスタリカもまた2010/11 年度の1.6 百万袋から2011/12 年度には1.8 百万袋へと11.6%の増産を予想している。
■南米の生産量
ブラジル、コロンビア、ペルー及びエクアドルがこの地域の主要生産国だが、この地域の2011/12 年度の世界生産量に占めるシェアーは45%を超えている。2011/12 収穫年度は、ブラジルではアラビカコーヒーの2 年周期サイクルの裏年にあたるが43.5 百万袋の収穫が終わったところで、地域全体の生産量が5.7%減っている。しかし2012/13 年度の生産量は増える予想で、ブラジルの農作物生産予想を所管しているCONAB によると生産量は50.6 百万袋で、内訳は37.7 百万袋がアラビカで12.9 百万袋がロブスタである。ブラジルのコーヒー生産は豊作の後、木々の休養の為減産になる2 年周期の生産サイクルがその特徴である。4 月に始まる2012/13 収穫年度はかなりの増産が見込まれるが、それは2011/12年度に木々が休養した後だからである。コロンビアの2011/12 年度の生産量は前年とほぼ同水準の8.5 百万袋の予想である。ペルーは2011/12 年度には同国の記録となる5.2 百万袋を生産する見通しで、これは2010/11 年度の4 百万袋に比べ大幅な増産となっている。この生産量は2011/12 年度の世界生産量の4%のシェアーにあたり、主要生産国の一つに数えられる。エクアドルの生産量は2010/11年度の854千袋から2011/12年度の875千袋に2.5%
の増産予想である。2000 年以降同国の生産量は、2005/06 年度と2007/08 年度以外には1百万袋を超えた年はない。同国での大幅な増産の可能性は限られている。
2011/12 年度の生産量を全体でみるとコロンビアマイルドとアザーマイルドは夫々0.4%、4.4%の増産である。ブラジルナチュラルの生産量は7.5%の減産であり、ロブスタは2.4%の減産となっている。いくつかの国ではすぐに収穫が開始するが、2012/13 年度に関しては、大幅な増産が見込める国はブラジルのみである。一方インドネシア、パプア・ニューギニアでは悪天候が生産に影響しそうである。
2012年4月4日
中南米エリア担当 パートナーバイヤーからの最新報告
先週末まで、中米にいってきました。「5年先の中米」を見据えてという観点で見ると、大分変ってきそうです。大きな変化としては生産量の推移で、ホンジュラスは、名実ともに中米最大の生産国となりました。更に増産体制が加速しており、3年後には600万袋を超える勢いがあります。
ドライングキャパと生産量のバランスに注視して、良い業者との協業を組んで、良質な原料の調達先候補として取り組む価値のある国に成長すると思います。小生がホンジュラスに毎年足を運ぶようになって7年以上となりましたが、この先5年を見据えた本格的な取り組みも出来る環境になってきました。
ニカラグアは表・裏作での乱高下も抑えられ、安定した生産体制となりつつあります。
グァテマラは、品質(カップ)に特化した物創りに更に軸足を移し、確実にスペシャルティ市場で評価されています。昨年末からの雨により心配されていた「減産」ですが、コスタリカとサルバドル以外では総生産量としての被害は限定的であると考えています。しかし天候不順に起因した「さび病」による被害が一部地区ででています。コロンビアでのさび病の広がりの経緯が脳裏をよぎる様な光景もありました。コロンビアの時は、一部地区→広範囲(低地)→高地と3年で広がり大きな問題となりました。中米のさび病発生に関しては今は大きなニュースになっておりませんが、今後注視すべきことと感じております。
2012年4月2日
中国コーヒー文化浸透 茶の産地でコーヒー栽培拡大
日本でも人気のプーアル茶の産地、中国雲南省普1m市で、コーヒー豆の生産が急拡大している。
気候が栽培に適している上、中国でコーヒーを楽しむ人が増えてきたのが追い風となっており、地元業界団体は年間2 万トン余りの生産量を数年で約3 倍に増やす計画だ。
茶畑とコーヒー畑の緑色に覆われた丘が連なる普1m市思芽地区、大開河村。昨年12 月初め、高さ1m余りのコーヒーの木から、赤く色づいたサクランボ大の実を次々摘み取り、籠に放り込む収穫作業が行われていた。「昔はみんな貧しかった。生活がよくなったのはコーヒーのおかげ」と畑の主、華紅林さん(42)トウモロコシ栽培をコーヒーに切り替え年収は1 万5 千元(約18 万円)。
経済の改革・解放を受けて80 年代後半に本格化した普1mのコーヒー生産も、過去10 年で急成長。一昨年の生産量は約2 万1 千トンで10 年前の4 倍超、中国全体の6 割を占める。
中国、3年連続の干魃でコーヒーが大幅減産
3年連続の干魃で雲南省にコーヒー産地に大きな影響が出ている。同省コーヒー業協会の胡路副秘書長は26日、記者の取材に対し、干魃で雲南のコーヒー栽培は重傷を負い、生産量は3 万トン近く減少すると述べた。
胡副秘書長は「2008、09 年もコーヒーの栽培状況からみて、今年のコーヒーの収穫は9 万トン前後と見込まれていたが、実際の収穫はわずか6 万トン」と語った。2010 年の大干魃で多くのコーヒーの木が枯れ、この年の生産量は10〜20%減少、損失額は5 億〜6 億元(約64 億〜77 億円)に達したという。
米スターバックス、中国中小都市に積極進出へ
米スターバックス社中国・アジア太平洋地域責任者のジョン・カルバー氏のインタビューによると、中国での店舗数は2015年までに70都市1500店となる見通しで、同国中小都市への今後の積極進出を明らかにした。現在は48都市で約500店を運営している。同社は海外事業拡大を推し進めており、コーヒー店市場規模が2015年には前年比55%増の45億元(約592億円)と予想される中国には特に力を注いでいる。
英国、コーヒー人気劇的に広がる
英国でコーヒーの売り上げが急増している。売上高が2011 年に21億ポンド(約2500 億円)と、05年の2倍に増えたと食品関連の業界団体が発表した。英国を象徴する飲み物として真っ先に名前があがるものの一つが紅茶だろうし、実際、紅茶を飲む習慣が廃れる気配はない。しかし、その一方で英国のコーヒーの消費量も劇的に伸びている。中でも突出しているのが首都ロンドン。コーヒーが主体のカフェチェーンの店舗数だけで1500 店以上。ロンドンで働き、暮らしている人のうち、3 人に1 人はほぼ毎日コーヒー専門店に立ち寄るとの統計がある。ロンドンに限れば、コーヒーを飲むことはすでに日常の一部になっているといっても過言ではないだろう。
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